米国時間の 11 月 13 日(水)にニューヨークで、マイクロソフトの最新の統合開発環境「Visual Studio 2013」の提供開始を記念したイベントが開催され、新しい製品・サービスが併せて発表されました(イベントの模様をこちら)。その発表を受けて、開発者向け製品・サービスの開発責任者であるピージェイ ヒュー(PJ Hough、マイクロソフト コーポレーション コーポレート バイスプレジデント デベロッパー ディビジョン)が今週来日し、報道関係者とのラウンドテーブルや、The Microsoft Conference での開発者向けセッションなどを開催しました。このブログでは、今回発表したマイクロソフトの最新開発環境をご紹介します。
The Microsoft Conference でのピージェイ ヒューのセッションの様子
マイクロソフトの統合開発環境の最新版として提供を開始した Visual Studio 2013 では、「クラウド サービスへの本格対応」が重要なキーワードとなっています。これは、開発したアプリケーションの運用先がクラウドであるだけでなく、クラウド上の開発環境を利用してアプリケーションを開発できることを意味しています。例えば、アプリケーション開発のためのプロジェクト管理や情報共有の仕組みをクラウド上で共有する、評価やテストのための環境をクラウド上に整備する、ブラウザー版の開発ツールでクラウド上のアプリケーションをコーディングする 等々、クラウドサービスを活用したアプリケーション開発が可能となります。
「デバイス&サービス時代」のアプリケーション開発に求められる「スピード」、「品質」、「コスト」といった要件に対応するために、従来の Visual Studioによるアプリケーション開発ソリューションに、クラウドサービスが持つ「柔軟性」、「即時性、「容易な展開」といった様々な特性を付加することで、利用者の皆さんの新しいニーズにマッチしたアプリケーション開発環境をご提供します。この新しい開発環境をぜひご体験ください。
クラウド版開発プラットフォーム:Visual Studio Online
クラウド プラットフォームを最大限に活用できるアプリケーション開発環境として Visual Studio Online の提供を開始しました。これによって、「いつでも」、「どこからでも」、チーム レベルの開発環境を利用できます。例えば、複数拠点のチーム横断的な開発や、開発業務の委託先との会社横断的なコラボレーション、短期間の開発プロジェクトの支援といった要件にも即時に対応できます。
製品概要
- クラウド版の開発プラットフォーム。情報共有と管理の TFS からコーディングをする IDE(Integrated Development Environment:統合開発環境)までを提供する開発のサービス群
- Team Foundation Server のクラウド版 (旧Team Foundation Service)であり、ビルド、ロードテストなどの追加機能あり
- クラウド版の開発プラットフォーム:情報共有と管理のTFS からコーディングする IDE(Integrated Development Environment:統合開発環境)までを提供
- Visual Studio のコーディングする機能をクラウド環境で利用可能
- “Monaco” (開発中のコードネーム) : IDE である Visual Studio の補完製品として、ブラウザー ベースで HTML と JavaScript のコーディングをしてクラウドサービスの構築が可能 (プレビュー版)
- Application Insight: アプリケーションのパフォーマンスやユーザーの利用状況を可視化できるサービス形式のツール (招待制での限定プレビューを提供中)
提供方法
- 5 名まで無償で利用可能
- MSDN サブスクリプションの特典として利用
- 3 つのユーザー プランによる月額払いで利用 (限られた地域でプレビュー版を提供中)
Visual Studio Online を活用することで、業務委託先やオフショア開発先との情報共有を効率化し、開発環境を一新することができたお客様、ジィ・シィ企画様の事例も、ぜひご覧下さい。
「DevOps」ソリューションの強化:Visual Studio Deployment
昨今、ALM(Application Lifecycle Management)の分野での最新のソリューションとして注目されている「DevOps」。このソリューションを構成する新しい製品として、アプリケーションのリリース管理を実現する「Visual Studio Deployment」の提供を開始しました (2013 年 12 月よりボリュームライセンスで提供開始)。詳細な展開方法と関連する処理や担当者による承認手続きをワークフローとして定義することで、アプリケーション開発後のテスト環境や本番環境への展開を大幅に自動化できます。これによって、完成後のアプリケーションの迅速なリリースと展開作業の省力化を実現します。
.NET と Visual Studio によるマルチデバイス アプリケーション開発
パートナー企業である Xamarin 社が提供する最新のアプリケーション開発ソリューションを活用することで、Visual Studio 上で .NET を利用して、iOS と Android をベースとした各種デバイス向けのアプリケーション開発が可能になりました。.NET (C#)で開発されたライブラリーをコンパイル(実行可能な形式に変換)するだけで iOS や Android 向けのアプリケーションを開発できるため、.NET と Visual Studio に関する既存の資産やスキルを継続して活用できます。各種デバイス向けのアプリケーションの新規開発はもちろん、既存のアプリケーションのマルチ デバイス対応を支援するための最新ソリューションです。
MSDN 特典の改定:Windows Azure の従量課金プランの価格を改定
MSDN サブスクライバー向けの Windows Azure の新しい従量課金プランを開始しました。これにより従来以上の割引価格で Windows Azure をアプリケーション開発やテストに活用いただけます。今回、複数のグループやアカウントを管理するための機能が併せて改善されたことで、大規模な開発プロジェクトなどにおける横断的なリソース管理も省力化できます。
今回、Visual Studio 2013 を中心に、様々な製品、サービス、施策を発表させていただきました。このことからマイクロソフトが最新のアプリケーション開発環境の提供を継続的に実践していることをご理解いただけたことと思います。引き続きマイクロソフトのアプリケーション開発ソリューションにご期待ください!!