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【パートナー事例】日本企業が求めるアドオン機能を顧客の声をベースに開発~わずか 2 年で 10 万シートを販売したネクストセットのビジネス戦略【3/31 更新】

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株式会社ネクストセット (以下、ネクストセット) は 2013 年 4 月に設立され、Microsoft Office 365 向けの各種アドオン ソリューションを提供している IT 企業です。現在同社が提供するアドオンは、組織ワークフロー、組織カレンダー、組織アドレス帳、ドキュメント管理、掲示板/回覧板、行先予定/在席確認/伝言メモ/共有 TODO、タイム カード、ブラウザー切り替え機能、安否確認、シングル サインオンの 10 種類。いずれも日本の企業文化に合わせており、「痒いところに手が届く」機能を装備しています。

ビジネスを開始してからまだ 2 年未満の若い企業ですが、既に 10 万シート分のアドオンを販売、ビジネスを急成長させています。また同社のアドオンを取り扱うパートナーも着実に増え続けており、その中には大手 SIer も含まれています。

それでは何なぜネクストセットは、短期間でこれだけの成功を収めることができたのでしょうか。今回はネクストセット代表取締役の別所 貴英 氏に、同社のビジネス戦略やビジネスを伸ばすための工夫などについて、お話をお聞きしました。

 

株式会社ネクストセット
代表取締役
別所 貴英 氏

 

ネクストセットが提供する Office 365 向けアドオンの概要

まず御社が提供しているソリューションについてご説明ください。

私どもは Office 365 専用の、さまざまなアドオン機能を提供しています。具体的な内容としては、組織ワークフローや組織カレンダーといったグループウェア機能や、シングル サインオンのようなセキュリティ強化機能、災害時の安否確認などをご用意しています。現在提供しているアドオンは合計で 10 種類です。

これらのアドオンにはどのような特長がありますか。

日本の企業文化に最適化している点が最大の特長です。Office 365 は米国の企業文化が反映されており、そのまま日本企業で使うには若干の違和感があります。たとえば Office 365 のカレンダーはイベント中心型になっていますが、日本企業ではイベントよりも人を重視する傾向があります。このような、Office 365 だけでは「痒いところに手が届かない」部分を補うのが、私どものアドオンの役割です。日本企業に合わせて「人を中心」に設計しているのです。

特に売れているアドオンは何ですか。

組織ワークフローとシングル サインオンです。特にワークフローは日本の業務フローに特化しており、印鑑も押せるようになっています。シングル サインオンは他にも提供しているベンダーがありますが、このような組織ワークフローは他にはないようで、お客様からも高く評価されています。必要なアドオンを選んで導入しやすいように、価格設定も工夫しています。1 つのアドオンなら月額 100 円、2 つなら月額 150 円、3 つなら月額 200 円、月額 300 円ですべてのアドオンをお使いいただけます。

 

 

Office 365 ビジネスを行うようになった背景

なぜこのようなビジネスを行うようになったのですか。

 ネクストセットは株式会社サテライトオフィスが、Office 365 に特化したアドオンを開発および販売するために、2013 年 4 月に設立した会社です。サテライトオフィスは当初、EC サイトや CRM システムのインテグレーションを行っていました。しかしこのような一括案件は収益の波が大きいため、もっと安定したビジネスはないかと模索を続けていたのです。その後、2008 年に Google Apps が登場したため、その販売を開始、不足している機能を補うためにアドオン開発を行うようになりました。現在 Office 365 向けに提供しているアドオンも、元は Google Apps 向けに開発されたものです。

 

 

Office 365 へとビジネスを広げたのはなぜですか。

企業での利用を考えると、Office 365 に優位性があると判断したからです。Google Apps はもともと個人向けに開発されたものであり、実験的に新しい機能をリリースしたり、その後その機能が取り除かれたりといったことが頻繁に起きるため、企業が安定的に使うのは難しいと感じていました。これに対して Office 365 はエンタープライズ向けのクラウドであり、とても堅牢な作りになっています。また日本企業のほとんどは Microsoft Office を業務に使用しているため、Office 365 の世界にもすんなりと入ることができます。サポートがしっかりしているのも大きな魅力です。導入時はもちろんのこと、導入後もきちんとしたサポートがあるのは、マイクロソフトならではだと思います。

 

 

ビジネスの現況と成長のための工夫

Office 365 向けアドオンの売れ行きはいかがですか。

 ビジネスを開始してからまだ 2 年未満ですが、売上は急速な勢いで伸びています。これまで販売したアドオンの数は、合計 10 万シートに達しています。Office 365 向けアドオンは、Google Apps 向けに比べて個々の案件規模が大きいという特長があり、1 社で 1 万 5,000 シートを導入した事例もあります。ビジネスの成長率も、Google Apps 向けを凌駕しています。お客様の中には、Google Apps から Office 365 へと移行したところもあります。逆に、Office 365 から Google Apps に移行したケースは皆無です。

 

ビジネスを成長させるために工夫していることは何ですか。

私どものビジネスは、お客様の声がベースになっています。お客様のご要望にいち早く応え続けた結果、気が付くとアドオンが増えていたという感じです。そしてこれらのアドオンが他のお客様にも評価されて、ビジネスが伸びていったのです。その一方で、アドオンのディストリビューションを行ってくださるパートナー様も重視しています。私どものアドオンをパーツとして活用し、インテグレーションを行っている SIer 様も数多くいらっしゃいます。

 

 

クラウド ビジネスの今後の展望と期待

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

 これからも日本企業に必要な機能を、お客様の声を聞きながら追加していき、より完全にご満足いただけるものを目指していきたいと考えています。また多言語対応にも力を入れていきます。既にそのための開発も進めていますが、最終的には Office 365 が対応しているすべての言語をカバーする予定です。これによって海外展開も本格化していきます。まずは米国や欧州などの英語圏からスタートし、その後アジア地域へと拡大していきます。

Office 365 のビジネスは、今後間違いなく伸びていきます。私どももこの流れに乗って、アドオン販売のビジネスを成長させていきたいと考えています。そのために SI パートナーも増やしています。最近では大手 SIer 様のパートナーも増えており、サービス メニューの中に私どものアドオンを掲載してくださる企業様もいらっしゃいます。また 2015 年 4 月からはパートナー様が、Open 商流で Office 365 と組み合わせて私どものアドオンを仕入れることも可能になります。

Office 365 だけではなく、Microsoft Azure への取り組みも強化していきます。具体的な取り組みはまだこれからですが、私どもには EC サイトなどを構築してきた経験があるので、その技術力を活かした SI を行いながら、アドオンのようなパッケージングにつなげていければと考えています。

 

ありがとうございました。

株式会社ネクストセット

Office 365 に特化したソリューションを提供するため、2013 年 4 月に設立。現在 10 種類の Office 365 向けアドオンをラインアップして提供しています。日本の企業文化に最適化された機能群はユーザー企業からも高く評価されており、設立からわずか 2 年で 10 万シート分のアドオン販売を達成しています。


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