在宅勤務やテレワークに代表されるように、社会情勢の変化に伴って「働き方の改変」や「ワークスタイル変革」などワーキングスタイルに関係するキーワードが日々取り上げられています。一般的な言葉になりつつある「ワークスタイル」ですが、簡単に聞こえるこの言葉も社内外の多くの方とお話するだけでも人によって捉え方も様々の様です。先日公開された「日本マイクロソフト社員のワークスタイルビデオ」をその形の一例として見ていただきながら、ビデオだけではわからないマイクロソフトの考える背景や取り組みを含め、ワークスタイル変革に重要となるポイントをご紹介したいと思います。
マイクロソフトの「ワークスタイルビデオ」
“マイクロソフトのワークスタイルで新しい毎日を。“
という言葉でスタートするビデオは、日本マイクロソフト社内で役割の違う4人それぞれが日々実際に行っている働き方を紹介しながら、自社製品を自身の「ワークスタイル」にどう結び付け仕事をし、どの様に感じているかを「自分の言葉で」語ってもらっています。出演者にとっては大変難しい課題だったと思いますが、台本も事前の刷り込み・仕込みも行わず、言わば突然のインタビューに対応してもらうことによって、それぞれが感じる自然な言葉がちりばめられていると思います。
各出演者のキーとなるメッセージ、またあまり画面には見えてこないマイクロソフト製品の活用ポイントは次の項で触れますので、まずは公開済みの完全版をご覧ください。
(Please visit the site to view this video)
また、それぞれの出演者シナリオ毎に切り出したショート版も公開致しましたので、必要に応じてご参照いただければと思います。
各出演者の「ワークスタイル」のポイントと製品
完全版をご覧いただき、いかがでしたでしょうか?インタビュー対象となった出演者の立場・役割に応じ違った視点、考え、またこの「ワークスタイル」に感じている価値がそれぞれあったかと思います。また、当然と言えば当然ですが、日本マイクロソフト社内ではこの「ワークスタイル」を支えるための ICTツールとして自社製品・サービスをフルに活用し日々仕事を行っております。以下、簡単にそれぞれが話した内容のポイント、またマイクロソフトのソリューションがどの様に使われていたかをまとめたいと思います。
■ Executive の視点(弊社代表執行役社長:樋口奉行)
ポイント:経営はスピードが命
・経営で競争力をいかに高めるかは重大な関心事。
そのためにはコミュニケーションをいかに活性化し、スピードアップするかがカギとなる。
・関係者のあらゆる情報が提示され、適切なコミュニケーション手段を選ぶツールを活用することで、
フォーマルなコミュニケーションコストが下がっていく。
また、こうした仕組みで人と人との距離がぐっと近くなり、機動力がアップする。
・以上のメリットと同時に、「テレワーク」などに代表される「働き方」の多様性、災害発生時における BCP 対策
などでも使える堅牢な基盤となる。
マイクロソフト製品の活用シーン
・0:37~ Lync
社員の「今」だけでなく、その他あらゆる情報が集まって提示されるため、「行先掲示板」の様に活用できる。
また、そのまま適切な手段を選択しコンタクトを実施している。
・1:10~ Surface RT + Lync
どこにいても、こうしたモバイル環境からでも連絡を取りたい相手がいるとわかったらすぐに状況を確認、連絡を開始できる。
(Lyncのモバイルクライアントである Lync Mobile は iOS/Android 版もリリースされております)
■ Sales(ソリューション担当:三森夏美)の視点
ポイント:日々の活動に「自信」を与えてくれる
・新人のため、稀にお客様へ情報を提示する際に不安なことがあるが、先輩社員や技術者などにレビューしてもらったり、
クラウドを活用して直前までコメントをもらえる事で安心して提案ができる。
・伝えたい事が山ほどあって自分の作った資料がわかりにくくなっても、最新の Office の機能を活用することでわかり易く
伝える事が出来るきっかけとなっている。
・(ビデオではイメージのみでしたが)OneNoteを相棒としてフル活用し、議事録や次回につながるメモなどを共有している。
・以上を踏まえた結果として、お客様の前に出るときは自信を持って話す事ができる。
マイクロソフト製品の活用シーン
・2:02~ Yammer モバイル
社内ソーシャルのフィードに流れる最新の情報を移動中に、打ち合わせの直前まで確認ができる。
・2:05~ PowerPoint、SharePoint
訪問直前に資料を確認。クラウド上に保存されたデータを開くと社内にいる先輩社員からのコメントが更新されている。
・2:33~ PowerPoint
プレゼン中。発表者ツール、タブレットをフル活用し、迷わず提案ができる。また、環境や最後にやった作業などは
サインインベースのOfficeでクラウドから情報を取りどこでも同じ環境で利用することが出来ている。
・2:41~ OneNote
議事録はOneNote で作成し、そのままその場でクラウドを経由して共有できる。
■ Marketing(マーケティング担当:中井陽子)の視点
ポイント:子育てをしながら仕事ができる
・家庭があって子供がいて夜遅くまで残業が出来ないケースがあっても、一旦家に帰ってから
重要な仕事ができている。
・夜遅めの会議には Lync のオンライン会議で資料をリアルタイム、かつその場にいるような
高いクオリティを維持しながら参加することで、場所や時間にとらわれない働き方をしている。
・子育てをしながら、かつ会社の重要な会議に参加することが以前に比べて着実にでき、
働く母親にとっては非常にありがたい環境。
マイクロソフト製品の活用シーン
・3:19~ Excel 同時編集
オンライン会議の開始前にデータの準備。ビデオでは4人が同時に編集している
・3:33~ Lync、 Excel 共有
Lync 会議を開始、 Excel コンテンツの共有
■ Engineer(サポート担当:成田翔)の視点
ポイント:能動的な情報発信で新たな価値を創出できる
・サポートという職種柄、市場でお使いのお客様の最新の技術情報・トレンドが集まる。
そういった情報をチームやフロントのスタッフにソーシャルを通じて簡単にフィードバックができる。
・結果として、問い合わせが生じた後のリアクティブな対応だけではなく、プロアクティブに活動でき
技術サポートでの「新たな価値」を生み出している。
マイクロソフト製品の活用シーン
・4:11~ Yammer
自分のフィードに流れる最新情報の確認。社内ナレッジの強化のため、自分のノウハウをフィードへ返信として書き込む。
■その他の社員コメント
・(働くにあたり)非常に大きな自由を与えられている
・会社にはいなくてもミーティングに参加できて、役に立っている
・非常に質の高いまま、効率的な営業活動ができる
・仕事の効率を下げずに家族と過ごす時間が増えた
「ワークスタイル変革」に必要なポイント
ここで見ていただいたビデオは、あくまでも日本マイクロソフトでの一例であり、ひとつの形です。
すべてこの通りやるのが「ワークスタイル変革」成功への近道です・・とお話出来るのが理想ですが決してそうではなく、冒頭に書かせていただいた通り「ワークスタイル」の捉え方、意味する所、目的や理想は置かれている立場や環境によって様々で、「ワークスタイル変革」に正解は無いと思います。よく「マイクロソフトだからできるのではないか?」「外資系の会社は日本企業と決定的に違うのではないか?」などのコメントをいただきますが、日本マイクロソフトで働く人の多くは日本人、しかも元々は日本の企業出身者が(当然ですが)多く、また役割も様々あり ICT に関するリテラシーすらも人それぞれで、こうしたワークスタイルの確立も決して初めからすべてが上手く回ったわけではございません。(詳細は別の機会にお話したいですが、実際、試行錯誤の中で想定通りにいかず、ある意味失敗した取り組みも多くございます)
■ワークスタイル変革を実現する3つの要素
それでは、なぜこうしたワークスタイルが機能しているように見えるのか。これはそのまま「ワークスタイル変革」のポイントになる点と信じていますが、「未来のワークスタイル像」、「社員のポテンシャルをフルに発揮できるためにどう支援できるのか」を徹底的に考えながら、以下の3点を重要な要素としてしっかりと検討・実装をした上で、現在の柔軟かつ効果的で理想的なワークスタイルに近づけていると思います。
① 働く社員側の意識の徹底 ~企業としての価値観・企業文化の醸成と、徹底~
企業ミッション、ビジョン、また6つの価値観の徹底を通じて、社員それぞれが意識し、明確な行動指針としています。
② 会社側の制度 ~ワークスタイル変革、多様な働き方を支援する制度の見直しと展開~
多様性を検討するD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の取り組みの強化、育児や介護などが必要なシーンでの働き方の柔軟性、在宅勤務時のガイドライン改定、フリーアドレスを前提としたオフィス作り・・など、生産性を維持しながら多様な働き方が実現可能な制度面での下支えが行われています。
③ ICT の活用 ~自社ソリューションの活用~
コミュニケーション基盤を刷新し、ワンクリックで場所や手段を選ばずにコミュニケーションが成立する仕事環境、近くの席にいるかのような一体感を ICT で実現しています。
こうした取り組みも徐々に効果を現してきており、直接的には以下3点に代表されるメリットへと繋がり、また以前にも増した社員同士のコミュニケーション機会の増加と、それに伴う相乗効果(これまでにないビジネスアイデアや V-Team 活動など)が出始めています。
(-)削減系:
フリーアドレスを中心としたモバイルワークの実現で電力、Co2排出は30%超、紙消費は60%超、その他トータルコストも加えた「削減効果」
(+)向上系:
ID認証をベースにしてメールやその他ツールとも密に連携したコミュニケーション基盤刷新による気軽なコミュニケーション機会(オンライン会議やIMなど)の増加、モバイルワークによる個人の時間活用の最適化
(+)従業員満足:
社員の90%以上が満足し、他の人にも勧めたいと思っており、80%以上の管理職も良好な職場環境の生成、業務効率化、生産性向上へ効果があると回答
まとめ
離れた場所にいても隣にいるように自然にコミュニケーションが成立し、(極端な話)世界中どこにいても同じ生産性で仕事を完結でき、働く人の多様性が尊重される・・・そんな社員もハッピーになれる柔軟なワークスタイルは、制度の改変だけ、ICTツールの見直しや導入だけ、の表面的な対応だけでは実現が非常に困難です。私達もまだまだ道半ばで、もっともっとより良いワークスタイルで社員一人一人が活性化でき、そのチームワークがそのまま会社の力になれると信じていますが、ビデオの最後の「この環境が無い環境にはもう戻れないと思う」と言う社員のコメント、出演者全員の笑顔を見ると、ビデオを通じて一端をお見せした今までの「ワークスタイル変革」の私達の経験は一つの好例として参考にしていただけるものと強く思っています。
是非、どんどんお近くの社員にお問い合わせいただき、またお時間が許せば私どものオフィスにお越しいただきワークスタイル変革のお話ができればと思っています。
心からお待ち申し上げております!